韓国造船業構造調整ーその5

大宇造船海洋工場

構造調整:民間に任せて後ろに隠れた政府

 

 雇用関連性が最も大きな造船業構造調整に「政府が見えない」という批判の声が大きい。政府が自ら構造調整が最も急がれると判断した国内造船業についてどのように構造調整するかどうかを外資系コンサルティング会社に預けたまま、遠く離れた形を取っているからだ。

 

 政府は「民間自律」を叫びながら一歩後退した状況で、会社の集まりである協会が外資系コンサルティング会社に依頼して構造調整の青写真を描いている。造船業は鉄鋼や石油化学より状況がさらに深刻だが、政府は造船業界を相手取って「早く最終報告書を持って来い」と話している。業界では「政府が構造調整が順調に進まない場合に予想される問責、政治的影響などを考慮して前面に出ていない」という批判が殺到している。政府は「政府が直接支援に乗り出す場合、通商摩擦の憂慮があるため、慎重にアプローチしている」と釈明している。

 

 また、政府は「今回の構造調整は業界が自律的に行うこと」と終始一貫して強調している。この言葉をありのまま信じる人はあまりいない。「政府が最大限に責任を負わないため、協会に報告書の発注を任せたのではないか。コンサルティング会社が、報告書を作成する過程で政府と内容を共有するようだ」というのが業界関係者の言葉だ。

 

 業界も全面に負担に思っている政府の立場を全く理解できないわけではない。しかし、我が経済に大きな影響を及ぼす主要産業の事業再編の方向を外資系コンサルティング会社が2〜3ヶ月程度で作り出すことができるかについては疑問の目を隠せずにいる。

 

 政府が構造調整を民間の自律に任せると言っておいてコンサルティング会社の報告書をもとに「構造調整を急いだ」と注文することも形が合わないという指摘だ。結局、政府がコンサルティング会社の後ろに隠れて構造調整を指揮するわけだ。「これならば、政府が堂々と前に出て、構造調整を集めて行くのがましだ。そうしてこそ業界に強いシグナルを与えて効率性を高める」というのは業界の主張だ。造船業に対する構造調整が引き続き見合わされ、「最も急がれるのが造船業構造調整だが、責任を負うべきことが多く、業界と政界の顔色を伺わなければならないために政府が最大限先延ばししている」との批判の声も出ている。

アジア経済