韓国造船業構造調整ーその4

大宇造船海洋工場

“大宇造船の生存は難しい”…マッキンゼー報告書一波万波

 

 造船業構造調整の青写真となるコンサルティング会社マッキンゼーの『造船業報告書』内容の一部が公開され、韓国内造船会社各社が強く反発するなど、波紋が広がっている。今月末に報告書最終案が出されたとしても明確な解決策を提示しない可能性が大きく、業界の不安は増幅されている。

 

 マッキンゼーは、今回の報告書で、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋の「造船ビック3」が強力な人員削減や設備売却に着手しなければならないという立場を盛り込んだ。特に、大宇造船海洋については独自生存が難しいという結論を下したという

 

 これによって、現在の造船ビック3の構図を現代重工業とサムスン重工業の2強連合に再編して大宇造船海洋は各事業部門を売却し、1中の構図で戦うべきだという意見を提示したという。マッキンゼーはまた、大宇造船海洋が他のライバル会社とは違い、グループに含まれておらず、財務的に弱いという評価を下した。

 

 大宇造船海洋は強く反発している。事実上、大宇造船海洋を解体することに他ならないためだ。大宇造船海洋は「マッキンゼー・コンサルティング報告書は過去5年間の売上げの構成や営業利益率など企業の業績が今後5年間にも繰り返されて市場の状況悪化とあいまって事業規模は持続的に縮小されるものと仮定した」と指摘した

 

 さらに、「このような非合理的推定に基づいたコンサルティング報告書は企業の切実な自助努力やリスクが大きな大規模なEPCの海洋事業を縮小するという事業の方向性などを全く反映していない」、「結局、私たちの造船産業は、過去の過ちを今後5年間も、ずっと繰り返して再生できないということで、造船産業の可能性と能力を無視した報告書」と批判した。

 

 大宇造船海洋だけでなく、現代重工業と三星重工業もマッキンゼーの報告書について批判的な立場だ。マッキンゼー報告書には盛り込まれている内容はすでに業界でも十分に検討してきたり、推進中に事案がほとんどだという立場だ。結局、新たなことがないという考えだ。

 

 何よりも造船のビック3がいずれも独自に強力な構造調整を断行している点は全く反映されないまま数字にとらわれて現実をきちんと認識しなかったという考えだ。ある大手造船会社の高位関係者は「本当に教科書的な原則的な話の繰り返しであるだけだった」、「業界が大変な中でも費用をかけてコンサルティングを依頼した趣旨は色あせた」と声を高めた。

 

 しかし、一部ではマッキンゼーのコンサルティングは、初めから限界があったという見方もある。まず、マッキンゼーの立場では「数字」を重要視するしかないだけに、メーカーが希望する数字以外の定性的な評価などを反映することは難しかったという分析だ。

 

 また、コンサルティング自体が造船海洋プラント協会が依頼した形だが、その費用の大半は、企業が負担するため、究極的に会社らの影響力が投入されるしかないのも限界という指摘だ。実際、各企業は現在、協会に公式的に報告書修正を要請した状態だ。このために最終報告書発表が遅れている。

 

 業界関係者は「政府が今回のコンサルティングの結果で構造調整の下絵を描くと言っただけに、会社としては気になるしかない」、「造船業は思うように構造が簡単ではない、精密で緻密な分析とアプローチ、理解が必要だが、今回マッキンゼー報告書は、このような点を見過ごしたようだ」と明らかにした。

アジア経済(韓国語)

用語
※EPC:建物や工場、発電所などの建設に関する契約の一つが、「EPC契約」である。設計(engineering)、調達(procurement)、建設(construction)を含む建設プロジェクトの建設工事請負契約を指す。EPCを提供することを「EPCサービス」と呼ぶこともある。また、「ターンキー契約」もしくは「フルターンキー契約」という表現もほぼ同じ定義で使われる。
日経テクノロジーより