韓国造船業構造調整ーその3

大宇造船海洋工場

前回の記事は、こちらをごらんください。

前回の記事の続きとして、マッキンゼーが関係してきた経緯とコンサルティングの経過について紹介します。以下、朝鮮日報の記事です。

ーーーーーここから朝鮮日報記事ーーーーーー

誰も責任を負わない造船の構造調整
政府、中核産業構造調整を外国コンサルティング会社に任せ逃げる
「大宇造船の回生不可能」報告書、大宇側の反発に再検証作業
現重・サムスン「政府がメスをかけない大宇再生させようとすること」反発

 

 韓国造船海洋プラント協会は、外資系コンサルティング企業のマッキンゼーが最近提出した「造船業の競争力強化対策」報告書(草案)に対する検証作業を行っている。「独自生存の可能性が低い大宇造船海洋を整理して現代重工業やサムスン重工業の『BIG2』体制に再編しなければならない」という内容が報告書に含まれると、大宇造船が虚偽報告書として強く反発したためだ。すると、今度は現代重工業とサムスン重工業が「予定になかった報告書の検証作業は大宇造船の生存の方に報告書を変えようとする意図だ」と反発している。業界では「このままで造船業の構造再編策がぼろぼろになる羽目になる」と懸念している。

 

 韓国経済の最大懸案である造船業構造調整が中心を見失って揺れている。政府が構造調整案作りに全面的に乗り出したこともなく、だからと民間に構造調整を委任しない中途半端な態度を取ったため混乱を招いているということだ。

 

 政府はこの6月に造船業構造調整を民間自律として推進するという原則を明らかにし、造船海洋プラント協会に構造調整の青写真となるコンサルティング報告書作成を要求した。協会は、現代重工業・大宇造船、サムスン重工業「BIG3」からそれぞれ10億ウォン前後を拠出されてマッキンゼーにコンサルティングを依頼した。大宇造船は作成費用まで出した報告書に自社を事実上解体せよという内容が盛り込まれと、協会に抗議し、協会もこれを一部受け入れたのだ。専門家らは「政府が手に血をつける悪役を避けている間、業界の利益を代弁する協会が乗り出して構造調整方案の責任を持っている奇形的な構造が構造調整を難しくしている」と批判する。

 

 さらに、政府内ですら違う声が流れている。金融委員会は、国策銀行が融資と保証に15兆ウォンが集まっていて、雇用だけ4万人を超える大宇造船を整理する場合、社会的波紋が大きすぎるために「ビッグ3」体制を維持しようという立場であることが分かった

chousen.com

ーーーーーここまで朝鮮日報記事ーーーーーー

マッキンゼー:報告書草案提出「大宇造船海洋は整理・縮小して、現代重工業・サムスン重工業のBIG2体制で業界再編を行うべき」

大宇造船海洋:虚偽だ検証しろ!

海洋プラント協会:検証作業開始

現代重工業・サムスン重工業:検証?大宇造船海洋を生かすためにしているだけ。無意味

 

ここまでの1〜3までで、それぞれの立場は以下のような感じとご理解いただけたかと思います。

大宇造船海洋:生き残りたい(ただし、金融機関の支援がないと無理)

現代重工業・サムスン重工業:大宇造船海洋潰れてOK。業界再編しよう!!(国際競争力重要!!)

政府系金融機関:幾つかの条件を満たしたら大宇造船海洋を支援(無理なら潰すしか・・・)

政府:表面的には、業界内で自律的にやってください・・・、資金支援はこれ以上はできないという立場だが、借入金が大きすぎ、かつ、雇用者数も多い大宇造船海洋が潰れるのはまずいという思いもある。(パククネ政権は経済無能などと言われているため、潰したくないのが本音では?と思います)

 

政府の立場が自律的にということなのだが、大宇造船海洋が潰す場合、存続させる場合、それぞれどうやって、その後の業界再編を行っていくのかについて政府の考えが見えてこない。マッキンゼーにコンサルティングを依頼したのも政府が関係しているのですから、もう少し積極的に間に入ったほうが良いと思います。

 

ここまでが、大宇造船海洋経営危機と造船業界再編の動きの概要となります。
次回から3回は、今までの内容と重複している部分も多々ありますが、アジア経済社の記事から、この問題についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。